今回はアロマセラピーの基本、「香りのブレンド」について解説します。
ブレンドはアロマセラピーの力を無限大に広げてくれますが、「ブレンドは難しい…」と感じている方もいらっしゃいます。
私もアロマセラピーの勉強を始めた頃は、「ブレンドは正解がないから難しい…」と感じることが多くありました。
アロマセラピーについて学んだことがない初心者の方にも使える、「簡単で効果的なブレンド」方法を解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
- アロマセラピーでブレンドをするメリット
- 簡単にブレンドを行う手順
- ブレンドをするときに気をつけること
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アロマセラピーにおける「ブレンド」の基礎知識
アロマセラピーでは一つの香りだけではなく、ブレンドして使われる場面が多く存在します。
最初にブレンドとは何か・ブレンドすることのメリットについてお伝えします。
「ブレンド」は香りを組み合わせること
アロマセラピーで用いられる、植物の芳香成分を抽出して作られたオイルのことを「精油(キャリアオイル)」といいます。
複数の精油を組み合わせて作られたものが「ブレンドオイル」です。
ブレンドオイルには、さまざまなメリットがあります。
ブレンドオイルを作るメリット
- 複数の香りで効能の掛け合わせができる
- 香りを長時間楽しむことができる
- 組み合わせによって多彩な香りを楽しめる
- 苦手な香りも受け入れられる
複数の香りで効能の掛け合わせができる
それぞれ香りには様々な作用があり、香りを複数種類合わせることでそれぞれの香りの良いとこどりができます。
また、肌への刺激が強すぎる・香りが強すぎるなど、デメリットの部分をブレンドをすることで和らげるというブレンドをすることのメリットもあります。
ブレンドをすることで、一種類の精油では得られない効果を引き出すことができます。
精油の種類や配合比率を調整することで、各個人に合わせたオーダーメイドの香りを作ることができる。
香りを長時間楽しむことができる
精油は種類によって香りを楽しめる時間が異なります。
「トップ・ミドル・ベース」という言葉を、香水などで聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
香りが持続する時間の違いで、香りを長時間楽しむこと・香りの変化を楽しむことができる。
詳しくは、後ほど「ブレンドのコツ」の中で解説します。
組み合わせによって多彩な香りを楽しむことができる
香りの組み合わせは、数え切れません。
- 精油の種類は数百種類もある
- 2種類のブレンドから数十種類のブレンドまで使用する数は自由
- ブレンドするときのそれぞれの精油の配合割合によっても異なる
様々な要素が組み合わさり、一つのブレンドオイルが出来上がります。
最初はレシピで紹介されているブレンドを作成し、慣れてきたら自分で様々な組み合わせに挑戦をしていきましょう。
苦手な香りもブレンドすることによって受け入れられる場合がある
精油は様々な種類があるため、苦手な香りがあることも普通です。
しかし、他の香りとの組み合わせによっては良いアクセントとなり、全体のバランスをみると好きな香りになる場合もあります。
私は、ローズマリーの香りが苦手ですが、あるブレンドオイルに含まれていたときは、とても良いバランスで香ってきて「良い香り〜」と感じました。
最初からブレンドされた精油も多数販売されています。自分でブレンドすることが難しいと感じる場合はブレンドオイルを試してみることから始めてみるのもおすすめです。
香りをブレンドする手順
- 複数の香りを合わせて嗅ぐ
- 香りのバランスを決める
- 目的に合わせて希釈する
- 香りを確認する
1、複数の香りを合わせて嗅ぐ
香りを嗅ぐときは精油を「試香紙」と呼ばれる紙に垂らし、その紙を軽くあおいで香りを確認します。
精油が入っている瓶ごと嗅ぐと、香りを強く感じすぎてしまう場合があります。
試香紙の使い方:
- 複数の香りをそれぞれ1枚に1つの香りを染み込ませて、同時に香りを嗅ぐ
- 香りが合わないと思った場合は、他の組み合わせに変えたり・香りの種類を減らしたりと調整する
最初は、専門家に相談したり・公開されているレシピを参考にして数種類の香りを選んでみましょう。
お店でいろいろな香りを試してみて、好きな香り同士を組み合わせてみるのも一つです。
間違いはありませんので、自分の感覚を大切に色々試してみてください。
2、香りのバランスを決める
使用する精油(香り)が決まったら精油を瓶などに入れます。
全ての精油を同じ量入れる必要はなく、「オレンジ3滴:イランイラン1滴」など、精油によって割合を変えて自分に合った比率を見つけていきます。
香りの強さによっておすすめの割合もありますが、
最初は1滴ずつから始め、弱いと感じる香りを1滴ずつ増やしていくことをおすすめします。
芳香浴で、コットンなどに垂らす場合は、あまり深く考えず2〜3滴ずつ垂らして香りを嗅いでみましょう。
どれか一つの香りが強すぎた場合、次に行うときは強く感じた香りを減らして調節をします。
3、目的に合わせて希釈する
使用方法によって、希釈する濃度が異なります。
芳香浴の場合は、精油のみを数滴垂らせば終わり。
しかし、使用目的によって希釈する濃度・何に(基材)薄めるかが異なります。例えばアロマトリートメントの場合は、肌に負担をかけないように1〜2%に薄めて使用します。
アロマトリートメント(マッサージ)をする場合:
- キャリアオイル(植物油)に1〜2%程度に希釈
- キャリアオイル20mlに対して1%の場合、精油は4滴
(1滴=0.05mlの場合。1滴の量が異なる場合もあります)
上記の場合は、この4滴の中でブレンドオイルを作成していきます。
例えば、「オレンジ3滴+サンダルウッド1滴」など。
正しく希釈をすることは安全に使用するためには大切です。それぞれの使用方法・希釈の濃度などは順番に解説していきます。
4、香りを確認して完成
最後に香りを確認して「良い香り」と感じたら完成。
香りは時間と共に変化していきます。
作った直後だけでなく、少し時間が経ってからの香りも変化を楽しんでください。
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ブレンドを上手にするときのコツ
- 香りによって量を変える
- 同じ分類の香り・近い分類の香りを組み合わせる
- 香るタイミングが異なる種類を入れる
香るタイミングが異なる種類を入れる
ブレンドのメリットの中でもお話ししましたが、精油はそれぞれ香りが持続する長さが異なるという特徴があります。
香りの持続時間は、30分〜2時間程度から半日〜数日というものまであります。
香りの持続時間の分類:
- 「トップノート」:数十分〜数時間
オレンジスイート・グレープフルーツ・レモンなど - 「ミドルノート」:数時間〜半日
ゼラニウム・ラベンダー・クラリセージなど - 「ベースノート」:半日〜数日
サンダルウッド・シダーウッド・パチュリなど
さらには、「トップミドル」「ミドルベース」などもあり、精油によって香りを楽しめる時間は様々です。
持続時間が異なる精油を組み合わせることで、時間が経つにつれて香りが変化していく様子を楽しむことができます。
柑橘系などの「トップノート」の香りばかりをブレンドしてしまうと…
早くに香りが飛んでしまい、1時間のトリートメントをしていると最後の方は香りを楽しめなくなってしまいます。
この時に「ミドルノート」「ベースノート」の香りを一緒にブレンドすることで、長時間香りを楽しむことができます。
香りによって量を変える
香り(精油)は、それぞれ「香る強さ」が異なります。
同じ量の精油でも、強く香る種類・ほんのりとしか香らない種類など様々です。
香りの強さ:
- 強く香る精油:ミドルノート、ミドルベースノート
- 中くらいの強さの精油:トップミドルノート
- ほんのり香る精油:トップノート
ベースノートは香りによって違うイメージです。
一つづつですと分かりにくいかもしれませんが、いくつかの種類を一緒に嗅ぐと「〇〇の香りが強すぎて、他の香りがわからない…」ということもあります。
種類によって強さの分類はありますが、まずは自分の感覚で決めて大丈夫です。
- 強いと思う香りは少なめ
- 弱いと思う香りは多め
例えば…オレンジとイランイランをブレンドするとき、
- 「イランイランは強いな〜」と感じたら「オレンジ3:イランイラン1」
- ブレンドした香りを確認し、イランイランが弱いと感じたら「オレンジ3:イランイラン2」
実際、イランイランは強く感じるので、全体における割合は少なめで大丈夫です。
香りの強さを決めるときのコツは、「ミドル・ベースは強い」
強い香りをたくさん入れてしまうと他の香りを消してしまうので、要注意です。
ミドル・ベースノート:
香りが強いので少なめにする。
イランイラン・カモミールローマン・ラベンダー・ゼラニウムなど
全ての精油に当てはまるものではありませんが、全体的な傾向は長く香るものほど強いので、少なめの割合にするとちょうどいいことが多いです。
同じ分類の香り・近い分類の香りを組み合わせる
香りは7つのグループに分けられます。
同じグループの精油同士・隣り合っているグループの精油は相性が良いとされています。
- 柑橘系(Citrus)
オレンジスイート・グレープフルーツ・ベルガモットなど - フローラル系(Floral)
カモミール・ゼラニウム・ネロリなど - オリエンタル系(Exotic)
イランイラン・サンダルウッド・ベチバーなど - 樹脂系(Resin)
フランキンセンス・ミルラ・ベンゾインなど - スパイス系(Spice)
ブラックペッパー・ジンジャー・ローレルなど - 樹木系(Wood)
シダーウッド・ジュニパーベリー・プチグレンなど - ハーブ系(Herb)
クラリセージ・マージョラム・ペパーミントなど
最初に何を選んだら良いかわからないという方、ブレンドに挑戦する際の参考にしてみてください。
全く違うグループやかけ離れたグループでも相性が合うことも。
グループに捉われすぎず、様々な組み合わせに挑戦してみることをおすすめします。
ブレンドに関するよくある質問
ブレンドするときは何種類の精油を入れたら良いですか?
A. 最初は2〜3種類から始めるのがおすすめ。
最初からたくさんの種類をブレンドするのは難しいので、2〜3種類から始めてみましょう。
慣れてきましたら少しずつブレンド数を増やしたり・香りのレパートリーを広げていくことをおすすめします。
ブレンドしたオイルはどのくらいの期間おいておけますか?
A.1回で使いきれる量を作ることがおすすめ。置いておく場合は、密閉した瓶に入れて冷蔵庫に入れて1週間程度。
精油は空気に触れることで徐々に酸化していくため、ブレンド後に置いておくことで香りも変化してしまいます。
より良い状態で使用できるように毎回使用するときに作ることをおすすめします。
自分でアロマスプレーなどを作るときは、防腐剤が入っていないので冷蔵庫に入れて1週間以内に使い切れる量にしましょう。
ブレンドしたオイルを使用するときの注意点は?
精油の注意点と一緒。基本ルールを守って使用する
- 原液を肌につけない、飲用しない
- ペットや小さな子どもがいる場合は、使用・保管に気をつける
- 高温多湿になる場所や直射日光が当たる場所に置かない
- 肌につける場合は希釈するときの濃度を守る
精油はとても濃度が高いので、原液を肌につけてしまうと皮膚トラブルの原因になってしまいます。
間違った使い方をして肌のトラブルを起こさないよう、注意して使用しましょう。
同じ成分ばかりによる肌トラブルに注意する
ブレンドをしても、「オレンジ・レモン・グレープフルーツ」などの柑橘系ばかりを入れてしまうと、香りだけでなく成分も偏ってしまいます。(1%であれば全体の濃度も高くないため、気にしなくても大丈夫なことが多いです)
同じ成分ばかりですと、肌への刺激となってしまう場合もあります。肌の敏感な方は成分のバランスに注意して成分が偏らないように注意する、肌に症状が現れたときは使用を中止するなどの対応が必要です。
濃度を上げて使用する場合・不安がある場合などは、精油を購入する際に専門家に相談するようにしましょう。
ブレンドは楽しんで自由に行うことが大切
ブレンドをするときのコツや精油の選び方を解説してきましたが、一番大切なのは「自分が好き」と感じるかどうかです。
精油を組み合わせるときも、実際に嗅いでみることが大切です。
自分だけの香りを作り、アロマセラピーを楽しんでいただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。