現代社会において、多くの人が「時間がない」という悩みを抱えています。
仕事、家事、育児、勉強など、やらなければいけないことが山のようにあり、24時間があっという間に過ぎてしまう感覚…そんな経験はありませんか?
しかし、「時間がない」という悩みは、実は時間そのものの不足ではなく、時間管理の仕方に問題があることが多いです。
本記事では、時間を上手に管理して、ストレスを溜めずに過ごすための方法を5つのステップに沿って詳しく解説します。
- 「時間がない」と感じる原因がわかる
- 効果的な時間管理術を身につけられる
- 時間管理を継続するためのモチベーションを高める方法
「時間がない」と感じてしまう理由
「時間がない」と感じてしまう原因はいくつかあります。自分の行動や考え方が当てはまっていないか確認をし、時間の管理をする際の参考にしていきましょう。
情報が多すぎて選べない
現代社会は情報化社会と呼ばれ、かつてないほど多くの情報が溢れています。
過去に比べて人々ができること・やるべきこと・やりたいことの選択肢が飛躍的に増えました。この多様化は、個人の時間をどのように使うかに関して、かつてないほどの自由をもたらしています。
しかし、同時に、何を優先すべきかを決めることの難しさも増大しました。
- 自分が本当に挑戦したいこと
- 人によくみられたくて選択していること
- 付き合いのために行っていること
仕事、プライベート、趣味など、様々な場面で、情報収集と取捨選択・タスク管理などが必要となり、時間の使い方が以前よりも複雑化しています。
不必要な情報による集中力低下
情報を受け取るタイミングを間違えてしまうと、私たちの注意を散漫にし、集中力を低下させています。
インターネット、SNS、メールなど、絶え間なく流れ込む情報に振り回され、大切なタスクに集中できない時間が増えています。
- 仕事中に届いたメール・かかってきた電話で集中が途切れてしまう
- 休憩中にSNSを確認したら、つい長時間見てしまい、時間がなくなってしまった
このような経験がある方は、多いのではないでしょうか。
情報が多いことは、生活を快適にした面と不自由にした面の両方がありますので、情報と上手に付き合っていく必要があります。
完璧主義による「やらなきゃいけないこと」の増加
完璧主義の人は、小さなことにも完璧を求めてしまい、「やらなきゃいけないこと」がどんどん増えてしまいます。その結果、時間がいくらあっても足りないという感覚を引き起こします。
完璧を目指しすぎると、時間がかかってしまい、本当に必要なことに手が回らなくなってしまうのです。
完璧主義の人の特徴
- 常に最高の成果を求めている
- 終わった後も満足せずに改善点ばかりを探してしまう
- 自己否定をしてしまいやすい
- 失敗を過度に恐れてしまう
- 決断を下せず、先延ばし行動をしてしまう
完璧主義の人は、「完璧な状態にする」ことを目的としますが、「期限までに終了させること」「今やるべきことは、他にもないか」といった考えを巡らせてみることも大切です。
マルチタスクの落とし穴
マルチタスクとは、複数のタスクを同時に行うことです。一見効率的に思えますが、実は集中力が分散し、作業時間が長くなってしまうことがわかっています。
マルチタスクをシングルタスクへ移行させるコツ
- タスクに優先付けをする:重要度に応じて優先順位をつけ、順番に取り組む
- 時間を区切る:「9〜10時までは〇〇をする」のように、時間を決めて一つずつのタスクに取り組む
- デジタルツールの活用:タスク管理アプリ・カレンダーアプリなどを活用して、今やるべきことに集中する
- 「いいえ」と言う:自分の時間やリソースには限りがあることを認識し、できる範囲で行う
時間管理術の盲点
時間管理術はたくさんありますが、自分に合った方法を見つけることが重要です。自分に合わない方法を無理に続けていると、かえってストレスが溜まってしまう可能性があります。
実際に行うことで、本当にスムーズにいくか・時間が短縮できるかがわかります。さまざまな方法を試して、自分にあった時間管理方法を見つけていきましょう。
時間を上手に管理する5つのステップ
時間と上手に付き合い、「時間がない!」とならないようにするための考え方を5つのステップで紹介します。順番に行うことがおすすめですが、自分の興味のある・できることから始めていただいて大丈夫です。
一つでも、実際に行動にしてみることが大切です。
ステップ1:「本当に必要なこと」を明確にする
時間管理の第一歩は、「本当に必要なこと」をはっきりさせることです。
タスクリストの作成
まず、思いつく限りのタスクを書き出してみましょう。仕事、家事、育児、勉強、趣味など、あらゆる分野のタスクをリストアップします。
書き出したタスクの中から、
- 自分が行わなくても良いもの(人に任せる・機械に任せるなど)
- 優先度の低いもの(ずっと続けていたけど実はもうそこまで興味がないことなど)
など、「やらなくても良いこと」が紛れていないかを確認し、タスクから削除していきます。具体的に削除する方法は下の項目で詳しく紹介します。
断捨離で時間を作る
時間管理は、物理的な断捨離と同様に、不要なものを捨てることから始まります。
- 習慣化されていない趣味
- 購読しているけど読んでいないメルマガ
- 集中してみていないテレビ番組
これらの不要なもの・優先度が低いことにかけている時間を捨てることで、本当に必要なことに集中できる時間を作ることができます。
「やらないことリスト」の作成
「やるべきことリスト」だけでなく、「やらないことリスト」を作成するのも効果的です。
- 他の人の期待に応えること
- 無駄な会議への参加
- 完璧主義による無駄な作業
「やらないことリスト」を作成することで、自分の意思を明確にし、時間の使い方に自信を持つことができます。
やらないことリストの一例(家事編)
- 週3日は食事を作らない(宅配・お惣菜・外食などを活用)
- 大掃除をしない(家事代行に依頼する)
- 洗濯物を干さない(乾燥機付きの洗濯機にする)
- 食器洗いをしない(食洗機を使用する)
自分が苦手と感じることは人に任せて、得意なことに集中できるように時間の使い方を変えていきましょう。
アイゼンハワーマトリックスの活用
次に、アイゼンハワーマトリックスと呼ばれるフレームワークを活用して、タスクを重要度と緊急度によって分類します。
アイゼンハワーマトリックスの4分類
- 重要度・緊急度が高いもの:「今すぐやる」
- 重要度が高く、緊急度は低いもの:「計画的に行う」
- 重要度が低く、緊急度が高いもの:「人に任せる・タスクを減らす努力をする」
- 重要度も緊急度も低いもの:「やらない」
日常生活の中では、緊急度の高いものに目が行きがちで「緊急度は低いが、重要度の高いもの」に手が付けられないことがよくあります。
しかし、分類をして可視化することで、「重要度が高いもの」に目を向けることができ、正しく時間配分を考えられるようになります。
アイゼンハワーマトリックスを活用することで、本当に必要なことに集中しやすくなるので「優先順位をつけられない」という方におすすめの考え方です。
ステップ2:集中できる環境を作る
集中できる環境を作ることは、効率的に作業を進めるために不可欠です。
作業スペースの整理整頓
散らかった作業スペースは、集中力を妨げます。
机の上にたくさんのものがあると、気が散ってしまったり・ものを探すときも時間がかかってしまったりとマイナスの面があります。
すぐにできる仕事環境作り
- 不要なものは捨てる
- 必要なものは使いやすい場所に置く
- 机の上を整理整頓する
「整頓できている」の基準は人それぞれなので、完璧を目指す必要はありませんが、「自分が集中できる環境」を作ることで作業効率を上げることができます。
集中力を妨げる誘惑を断つ
スマホやパソコンの通知音、SNSの誘惑などは、集中力を著しく低下させます。
- 作業中は通知音をオフにする
- SNSを見るときはアラームをかける
- 集中力を妨げるものを机から離す
人間の意志は弱いので、「我慢しよう」「気合いでやめる」というのは難しく、物理的に行動が変わる環境を作ることが大切です。
集中して作業をするときは余計なものが見えないように、
- スマホを机の上に出して置かずに電源を切ってカバンの中に入れておく
- 必要なものだけを持ってカフェや図書館に行く
というのもおすすめです。
一度切れた集中力を戻すのは労力がいるので、集中力がきれない環境を作ることに重点を置くようにしましょう。
時間帯による集中力の差
人によって、集中できる時間帯は異なります。
- 午前中に集中できる人
- 午後に集中できる人
- 夜に集中できる人
自分の集中力が高い時間帯を把握し、その時間帯に最も重要なタスクに取り組むようにしましょう。
ステップ3:効率的なスケジュールを組む
効率的なスケジュールを組むことは、時間を有効活用するために重要です。
ポモドーロ・テクニックの活用
ポモドーロ・テクニックは、25分間集中して作業し、5分間の休憩を取る時間管理術です。
ポモロード・テクニックのポイント
- 集中力が途切れる前に休憩を取ることで、作業効率を向上させることができます。
- タイマーを使うことで、時間を意識しやすくなります。
私も頻繁に使用するテクニックですが、25分という少し短いくらいの時間の方が集中力が途切れずに継続することができます。
また、時間で区切ることで中途半端に作業を中断するので、次の作業に取り掛かるときに「何から始めるか」が決まっているので、スムーズに再開することができます。
余裕をもった時間を見積もる
タスクごとに必要な時間を見積もり、スケジュールに組み込みましょう。しかし、予定通りに進むとは限りません。
予定外の対応や休憩時間などを考慮して、スケジュールに余裕を持たせることが重要です。
緊急時に備える時間管理のコツ
- 緊急時の対応を想定した計画を立てる
- 余裕を持ったスケジュールを組む
- 定期的に進捗確認と計画の見直しを行う
- 緊急度を適切に判断してスケジュールを組む
これらの対策を講じることで、緊急時に慌てずに対応することができます。
自分に合ったスケジュールを見つける
人によって心地よいタスク管理は異なるため、自分に合ったスケジュールを見つけることが重要です。
- 1日のスケジュールを細かく決める人
- 大枠を決めて、その中で自由に動く人
自分に合った方法を見つけることで、ストレスなくスケジュールを管理することができます。
時間管理を継続するためのモチベーション維持
時間管理を継続するためには、自分にとって苦痛なくモチベーションを維持することが重要です。
おすすめのモチベーション維持のコツ
- 無理な目標設定をしない
- 小さな成功体験を重ねられるよいうにする
- 定期的にフィードバックをして計画の見直しを行う
- 計画が達成できた時のメリットを明確にする
「自分でもできた」「この方法なら自分の生活が楽になる」と感じられる方法を活用することで、モチベーションを維持することができます。
私はSNSで自分の行ったこと・できたことなどを、定期的に報告をしています。
「自分でもこれだけできた」という確認ができ、他の人と報告しあうことでお互いのモチベーションを上げることができています。
ステップ4:一つのことに集中する
「ながら作業」は一見効率的に思えますが、実は集中力を低下させ、作業時間を長びかせてしまいます。
「マルチタスクの落とし穴」でも伝えしましたが、一つのことに集中して作業することで、効率良く作業を進めていくことができます。
シングルタスクで集中するメリット
- 作業効率が向上する
- ミスが減る
- 満足感を得られる
一気に全部を終わらせようとするのではなく、一つずつ優先順位を決めて終わらせていくことをおすすめします。
ステップ5:休息とリフレッシュの時間を確保する
休息とリフレッシュの時間は、集中力を維持するために不可欠です。
適切な休憩時間の取り方
休息やリフレッシュには、さまざまな効果があります。
休息をすることで得られるメリット
- 集中力の向上
- ストレスの軽減
- 疲労回復
- モチベーションの維持
- 創造力の向上
- 問題解決能力の向上
- 免疫力の向上
- 心の安定
休息とリフレッシュをしっかりと取ることで、心身ともに健康に過ごすことができ、仕事やプライベートにおいても効果を発揮することができます。
具体的な休息方法として以下に一例を紹介しますが、リラックスできる・体が休まる方法は人それぞれですので、自分に合った休息方法を見つけることが大切です。
- 軽い散歩をする
- 音楽を聴く
- 読書をする
- 瞑想をする
- 友人と会話をする
- 趣味の時間を楽しむ
私は「趣味を持つ」ことが大切だと考えています。趣味は自分に合った休息方法であり、心身ともにリフレッシュすることができます。
「趣味がない」という方は、ぜひ趣味を探してみてください。趣味以外にかける時間の使い方も変わってくると思います。
自分に合った趣味の見つけ方は、以下の記事で詳しく解説しています。
休息は短時間でも疲労を回復させたり、気持ちをリフレッシュさせたりする効果があります。作業の合間などに適度に休息を挟むことで、効率アップをしてより充実した時間の過ごしましょう。
すぐにできる休息方法
- 20分〜30分に1回、5分間の休憩を取る
- 軽い運動やストレッチをする
- 目を休める・目を閉じて休む
- 深呼吸をする
自分に合った休息方法を見つけて、定期的に休息を取り、集中力アップや疲労回復をして、時間を効率良く使えるようになりましょう。
時間管理を継続させるコツ
自分に合った時間管理術を見つける
時間と上手に付き合い続けるためには、自分に合った時間管理術を見つけることが重要です。
効果的な時間管理は、個人の生活、仕事の性質、個人の好みに合わせてカスタマイズすることが重要です。自分自身のリズムを理解し、試行錯誤を重ねながら、最も効率的な方法を見つけ出すことが大切です。
- 自分に合った方法を見つけるために、様々な方法を試してみる
- 完璧を求めず、自分にできることから始めてみる
80%の完成度を目指す
時間管理を成功させるためには、完璧を目指すことをやめ、実行可能で現実的な目標を設定することが重要です。
完璧を求めるあまり、逆に時間を無駄にすることになりかねません。
100%の完璧にしようとするのではなく、まずは完成させることを目指しましょう。
その後、他に行わないといけないタスク・スケジュールなどを考慮して、できる範囲で100%を目指すことがおすすめです。
周囲へ頼る
一人で抱え込まず、周囲に頼ることも大切です。
支援を求めることで、タスクを分担し、ストレスを軽減することが可能です。委譲は、チームワークを強化し、全員の生産性を高めるための重要なスキルとなります。
- 家族や友人に協力を依頼する
- 同僚に助けを求める
- 家事代行サービスを利用する
自分で溜め込むよりも、得意な人に頼む方ことでクオリティの高いものが早く完成できる可能性があります。
これらの方法を活用することで、自分の時間を有効活用することができます。
自分を労わることの大切さ
自分を労わることは、時間管理を継続するために不可欠です。
継続的な時間管理と生産性の向上は、自分自身を適切に労わり、ケアすることから始まります。過度なストレスや疲労が蓄積されると、どんなに優れた時間管理術もその効果を発揮できません。
定期的に自己ケアの時間を設け、リラックスしたり、趣味に没頭したりすることで、精神的、肉体的にリフレッシュしましょう。
- 十分な睡眠を取る
- 健康的な食事をする
- 適度な運動をする
- 趣味の時間を作る
これらの方法を活用することで、心身ともに健康に過ごすことができます。
優先順位の決定方法
自分にとって何が最も価値があるのかを理解し、それに基づいて日々のタスクの優先順位を決定します。タスクを整理する際には、以下の項目を考慮して優先順位を決定しましょう。
- 重要度
- 緊急度
- 自分の興味・関心
これらの要素を考慮することで、本当に必要なことに集中することができます。
仕事とプライベートのバランスの取り方はひとそれぞれ
仕事とプライベートのバランスを取ることは、ストレスを溜めずに充実した生活を送るために重要です。バランスの良い生活は、ストレスを減らし、全体的な幸福感を高めます。
- オンオフの切り替えを意識する
- 休暇を取得してリフレッシュをする
- 趣味の時間を作る
これらの方法を活用することで、仕事とプライベートの両立を実現することができます。
常に同じバランスが良いとは限らない
両立をさせることは大切ですが、常にバランスを取るだけではなく、時期によってどちらかに集中する時期があっても良いと考えられます。その時の自分にとって一番大切なのは何か考えることが重要です。
「ノー」と言う力:境界線の設定
自分の許容範囲を超える要求には、「ノー」と言うことも大切です。
- 自分の時間と労力を守る
- ストレスを溜めない
- 自己肯定感を高める
「ノー」と言えることは、自分へのメリットもありますが、周りの人へも良い効果を発揮する場合があります。
自分が無理をして頑張りすぎても、うまくいくとは限りません。自分のできることを示すことで、チームがうまくいく場合や周りの人が協力をしてくれることで信頼関係が深まることもあります。
自分の時間とエネルギーを守るためのできることへの境界線を設定し、健康的なバランスを保つことが大切です。
おすすめ時間管理ツール
時間管理をサポートするツールを活用することで、効率的に時間管理を行うことができます。
アプリ
タスク管理や時間追跡に特化したアプリは、日々の活動を整理し、時間の使用を最適化するのに役立ちます。
- 時間管理アプリ
- ToDoリストアプリ
- カレンダーアプリ
「やらなければいけない」タスクを可視化することで、どこまで終わっているかの確認や全体のバランス、優先順位をつけやすくなるなどメリットがたくさんあります。
スマホにもともと備わっている機能・Googleのカレンダーなど無料のアプリで十分管理可能です。
集中力を高めるアイテム
ノイズキャンセリングヘッドフォンや集中力を高めるための音楽など、作業環境を整えるアイテムも時間管理には欠かせません。
- ノイズキャンセリングヘッドホン
- アロマオイル
- 自然音
集中力が高まる環境は、人それぞれ異なります。誰もいない静かな自分の部屋、周りにある程度の雑音があるカフェ、一緒に努力をしている人がいる職場…
自分に合った環境を選択することも大切ですが、ある程度は自分で環境を作ることも可能です。周囲の音を遮るヘッドホン、リラックスできる香り、落ち着くことができる音など。
より作業に集中できるようにアイテムを使用することで、効率が上がり余った時間で別のことをする余裕が生まれます。
時間管理は、人生を豊かにする重要なスキル
時間管理術を実践することで、自分自身のため、そして周囲の人々のために、より充実した時間を過ごすことができるようになります。重要なのは、完璧を目指すのではなく、自分にとって最適なバランスを見つけることです。
本記事で紹介した方法を実践することで、
- 時間を有効活用できるようになる
- ストレスを溜めずに充実した時間を過ごせるようになる
- 仕事とプライベートのバランスが取れるようになる
などのメリットを得ることができます。
時間は有限ですが、その使い方は無限です。
皆さん自身に合った時間の使い方を見つけていただければ幸いです。そして、充実した時間を過ごし、人生をより豊かにしていくための一歩となることを願っています。
ぜひ、本記事で紹介した方法を実践して、充実した時間を過ごしてください。