- 香りを選ぶときのポイント
- 自分に合った香りを選ぶときにすること
- 香り(精油)を探すときの注意点
アロマセラピーの仕事をしているとよくある質問の一つに、
最初は何の精油を買ったらいいですか?
精油はどこで買えばいいの?
香りの種類が多すぎて、何を選んだらいいか迷ってしまいます…
どの種類の香り(精油)を選べばよいか、迷ってしまう方が多くいらっしゃいます。
香りは何百種類もあり、たくさんの中から自分に合った香りを選ぶのは大変。
アロマセラピーに興味を持ったばかりの方・初めて精油を買う方にも分かりやすい、香り(精油)の選び方をお伝えします。
この記事では、アロマセラピーに興味を持たれたばかりの方にも分かりやすく、精油ではなく「香り」という言葉を主に使用します。
香りの種類を選ぶポイントは複数ある
香りを選ぶポイントは複数あり、最初に「選ぶポイント」・次に「選び方」についてご説明します。
最初は、香りを選ぶポイントについてです。
自分に合った香りを選ぶポイントは大きく分けて2つ。
香りを選ぶポイント
- どの種類の香りを選ぶ?
- どこのブランドの精油を選ぶ?
数百種類の中から選ぶ
精油の種類は普段アロマセラピーで使用されるだけで数百種類、よく使用される精油だけでも数十種類はあります。
有名なものですと…
- オレンジ
- ラベンダー
- ゼラニウム
- カモミール
- ローズ
アロマセラピーに興味がなかった方でも、聞いたことがあるものも含まれているのではないでしょうか。
同じ精油でも産地によって香りが違ったり、収穫される年度によっても異なります。
香りが産地や年によって違うというのは、ワインのようですね。
その中から一つの種類を選ぶのは、迷ってしまうことも…
「選び方のポイント」を知り、自分に合った種類の香りを見つけましょう。
香りは選ぶブランドによっても異なる
香りを選ぶポイントにはもう一つ「どこのブランドを選ぶか」という問題もあります。
同じ「オレンジ」の香りでも、ブランドによって全然違います。
- 作られた農家
- 植物の管理の仕方
- 精油を作るときの工程
- 精油の管理方法…
全てが影響しています。
どこのお店で購入すればいいですか?おすすめのブランドは?
実際にお客様から良く聞かれる質問の一つです。
「絶対にここのブランドを選べば間違いない」はありませんが、「この特徴があるブランドは選ばない方がいい…」はあります。
ブランドを選ぶ際の注意点も後ほど解説しますので、参考にして好きなブランドを見つけていきましょう。
さらに細かく香りを選ぶときのポイント
香りを選ぶときの大きなポイントは、上記でお伝えした「香りの種類」と「ブランド」の2点です。
しかし、香りを選ぶときには以下のような点も気にして選択する必要があります。
- 使用目的
- 予算
- 誰が使用するか
香りを選ぶときは様々な基準があり、人によって選ぶ選択肢も異なってきます。
疲れたときにリラックスする香りが欲しいな…
このような場合でも…
- 自分で使う?
誰かにプレゼントをする? - 予算は1,000円くらい?
5,000円くらい? - 寝るときに使う?
仕事の休憩中に使う?
お風呂で使う?
選ぶときの基準は無限にあります。
- まずは、基本の「選び方」をもとに自分に合った香りを見つけていきましょう。
- さらに、そのときに合った精油が欲しい・深く知りたいという方は、香りについて学びを深め・香りの奥深さを味わっていただければと思います。
このブログでも「あなたに合った香り」を選ぶお手伝いができるように今後も情報を発信していきます。
それでは、「選び方」を具体的に解説していきます。
香りを選ぶときの具体的な行動
香りを選ぶときに行ってもらいたいことがいくつかあります。
- 直感で好きな香りを選ぶ
- 目的に合わせた香りを調べて選ぶ
- 使い道に合わせて香りを選ぶ
- 「良い品質」の精油を扱っているブランドを選ぶ
直感で好きな香りを選ぶ
香り(精油)を選ぶときに重要なことは好きな香りを選ぶこと。
香りの種類はたくさんあり、一つずつに効能や特徴もあります。
しかし、香りの受け取り方は人それぞれ異なります。
同じ香りを嗅いで「すっきりする香り」と感じる方もいれば、「甘い香り」と感じる方もいます。
「気持ちを落ち着ける香り」として売られていても、人によっては「元気になれる香り」と感じることも…
様々な情報が溢れていますが、まずは自分が嗅いで「好き」と感じた香りを使ってみてください。
香りを嗅ぐ前に知っておきたいこと:
- お店に行って実際に香りを嗅ぐことが大切
- 人工の香りで苦手なものも精油だと違うことがある
- その日のコンディションによって感じ方は違う
- お店に行けない場合は少量から試す
- 正しい香りの嗅ぎ方を知る
お店に行って実際に嗅いでみることがおすすめ
香りは実際に嗅ぐことで好き嫌いがはっきりします。
よくあるのが…
私、ラベンダーの香り苦手なんですよね…
など、苦手と言われていた香りが実際に嗅ぐと…
あれ?全然嫌じゃない。むしろ好きです!
ということがよくあります。
人工の香りは苦手でも自然の香りは違う
私たちの生活の中にはいろいろな香りが溢れています。
洗濯の時に使う柔軟剤・トイレの芳香剤・ルームフレグランス…これらの多くは人工の香りです。
人に悪影響が少ないからこそ、誰でも使えるものとして販売されています。
しかし、人工の香りは苦手と感じている方も…
人工香料は嫌いと感じていても、「精油」の自然の香りを嗅ぐと全く違う香りに感じることもあります。
ぜひ、精油の柔らかいけどパワフルな香りを試してみてください。
もちろん天然の香りでも、好き嫌いや相性があります。
苦手な香りは無理に使わないようにしましょう。
ブランドによっても香りは異なる
ブランドによって作られる過程はそれぞれ異なります。
- 植物の産地
- 育てている農家
- 精油の管理方法
販売されるまでの過程の違いによって、香りは大きく異なってきます。
精油は植物から作られているので、農作物が農家によって品質が異なるのと一緒です。
そのため、実際に店舗で香りを嗅いで自分の好きな香りを見つけることが一番。
苦手だった香りでも、「ここのブランドの香りは大好き」ということが私もありました。
ブランドを変えることで、苦手な香りが好きな香りに変わることもあります。
いくつかのブランドの精油を嗅いで違いを感じてみてください。
使う場面を想定して試すことがおすすめ
例えば…
「疲れた時にリラックスしたい…」
→休みの日ではなく、仕事終わりにお店に寄る
「仕事終わりの疲れた時」と「お休みの日のゆっくり寝た後」では香りの感じ方も違います。
よりリラックスできる香りを選ぶときは、「疲れたときに好きな香り」を選ぶことをおすすめします。
少量ずつ購入する
直接嗅ぐことができない場合、
初めての香りは少量ずつ購入するようにしましょう
お店で香りを試してから購入することが一番。しかし、お店が近くにない場合もあります。
そのようなときは少量ずつ購入して、気に入ったら追加するようにしましょう。
少量ずつ購入すると新鮮な香りを保てる
香りは時間が経つと酸化をして変化していきます。
開封直後が一番いい香りです。
まとめて大量に購入しないことをおすすめします。
目的に合わせた香りを選ぶ
精油にはそれぞれ効能があるので、自分の目的に合わせた香りを選択するのも一つです。
例えば…
- ゆっくり寝てリラックスしたい
→ラベンダー・イランイランなど - 仕事に集中したい
→レモン・ユーカリ・ローズマリーなど - お出かけの時の虫除けに使いたい
→レモングラス・ユーカリ・ペパーミントなど
目的に合わせて香りの種類を選ぶことはおすすめですが、注意することがいくつかあります。
- 同じ成分の精油ばかりを選ばない
- 効能があるからといって苦手な香りを無理に使わない
- ブレンド・ローテーションをする
一つの香り(精油)のみを使用して、毎日マッサージをすることはオススメできません。
(短時間の芳香浴程度でしたら毎日しても大丈夫です)
同じ精油ばかりを体に塗布していると、同じ成分ばかり蓄積されてしまったり、アレルギーを起こしたりする可能性もあります。
対策:
- いくつかの精油をブレンドして、一つの成分の濃度を薄める。
- いくつかの種類を順番にローテンションする
- 自分が良いと思う香りを使う
人によって香りの感じ方は違うので、他の人がいいといっても自分に合うとは限りません。
「リラックスする香り」と書いてあっても、自分には「リフレッシュする香り」かもしれません。
外からの情報は参考程度にして、自分の心の声を一番大切にして香りを選ぶようにしましょう。
何種類買えば良いの?
最初は一種類からで大丈夫です。
まずは、芳香浴といって香りを嗅いで楽しんでみましょう。
芳香浴の方法:
簡単にできるのは…
- コットン・ティッシュに1・2滴垂らす
- 鼻に近づけて、深呼吸する
これだけです。
他にはディフューザーを使用したり、容器に入れて持ち運ぶなどさまざまな使い方があります。
芳香浴はとても簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
トリートメントをする時は成分が偏りすぎないように2〜3種類をブレンドしてみることをおすすめします。
品質が良いブランドの「精油」を選ぶ
好きな香りでも体に良い影響がないもの(場合によっては悪い影響を及ぼすものも)を使用してはもったいないです。
自分の好きな香りで、さらに体に良い影響を与えてくれる「品質の良い精油」を使用することをオススメします。
「品質が良い精油」を選ぶコツ
- 認証マークがついている
- 学名が書かれている
- 遮光瓶に入っている
- 精油を正しく管理している
認証マークがついている
認証マークとは、
国の第三者機関による審査を受け、一定の品質が認められた会社のみが商品に貼ることができるマークです。
例えば…
- ABマーク(AGRICULTURE BIOLOGIQUE)
- ECOCERT(エコサート)
- ヨーロッパ有機認証(EUオーガニック認証)
日本には国や政府が認める認証マークがないため、日本のブランドも海外の認証機関を利用しています。
認証マークを取得するためにはコストもかかります。
そのため、小さな会社で製造されている精油など生産量が少ない場合、高品質でも認証マークを取得していないこともあります。
認証マークは絶対にないといけないわけではありませんが、取得していることで一定の品質を保証してくれる印になります。
認証マークのようなものに注意
「〇〇社認定精油」など独自の基準で認定している会社やロゴもいくつかあります。
そのマークが悪いわけではありませんが、「100%オーガニック」を認めるものではないものもあります。
どのような基準で認定されているかを確認するようにしましょう。
学名が記載されている
最低限の混ざり物がない・管理がされているものを選ぶコツです。
「アロマ」「精油」と書かれていても純粋な「精油」ではなく、人工物を混ぜたもの・似た安物の精油を混ぜたものもあります。
なかなか全てを見分けることは難しいですが、学名が書かれているということは、その植物の精油が入っているということ。
安物でかさ増しをしていないことがわかります。
学名を覚えるのは難しいので、購入前に「ラベンダー 学名」「オレンジ 学名」などと調べて確認することをおすすめします。
ちなみに…
「ラベンダー 学名」で調べると複数の種類が出てきます。
一般的にラベンダーとして思い浮かべる香りは「Lavandula angustifolia」 (ラバンデュラ・アングスティフォリア)のことです。
「真正ラベンダー」「トゥルーラベンダー」などと書かれていることもあります。
難しいと感じる場合は、「書かれているか」を見るだけでも大丈夫です。
混ぜ物をしていると学名を書くことができません。
100均などの安く売られているところでは「学名が書かれていない」ことが多く、「品質の良い精油」ではありませんのでご注意ください。
遮光瓶に入っている
精油は酸化をしていきます。酸化をしてしまうと成分が変わり良い香りがしなくなるばかりか、体に悪影響を与えることもあります。
酸化を遅らせるために、温度管理・瓶での保存などいくつかの対策があります。
その一つが「遮光瓶に入れる」というものです。
遮光瓶は酸化原因の一つである「光」を防ぎ、茶色・青色・緑色などの瓶があります。
必ず遮光瓶に入っている精油を選ぶようにしましょう。
「ドロッパー」と呼ばれる機能がついているかも確認しましょう。
ドロッパーとは、画像にある瓶の上部のことで、1滴ずつ出るような仕組みになっています。
精油は1滴の量が決まっており、1滴ずつ出して使用します。
この「ドロッパー」がないと量の調節ができないので、ついているかを確認しましょう。
温度管理がされている
特に柑橘系の精油などは酸化が早く、温度管理が大切。
ワインセラーのような温度・湿度が調節できる場所で精油を管理しているお店は信頼度が高いです。
香りを選ぶときに注意すること
品質は香りに影響する
高品質じゃなくてもいい香りなら良いのでは?
品質の良さは香りの良さと比例します。
良い管理をされていると香りの成分変化が少なくなります。摘みたて・切りたての香りを楽しめ、花畑や森の中にいるような感覚を味わうことができます。
厳重に管理された精油の香りは格別です。
高品質な精油の香りを一度は試してみてください。違いを感じられると思います。
最低限の品質は大切
最高級のものでないとダメという訳ではありません。予算や目的に合わせて選んでいただいてももちろん大丈夫です。
しかし、体に吸収されるので最低限の品質は守ることをおすすめします。
特に肌に塗るものは皮膚トラブルの原因になるので注意が必要です。
高品質でも使い方を間違うとトラブルの原因になる
精油は自然なもので体へ様々な作用が認められているからこそ、100%安全なものはありません。
正しい使い方を知ることが重要です。
正しい使い方も別の記事でお伝えしていきます。
最後は自分の鼻で判断する
品質が良くても人によって好みがあるので、様々なブランドの香りを試してみることがおすすめです。
自分に合ったブランド・種類は人それぞれ。
最低限のルールを確認したあとは、
色々試して、自分の感覚で「これが好き」というものを選ぶようにしましょう。
皆さんが自分にあった香りを見つけられるように今後も情報発信をしていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。